フルサイズとマイクロフォーサーズ、 センサーサイズが変わると何が違うの?
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イメージセンサー(撮像素子)とは、レンズから入った光を電気信号に変換して記録する部分のことを言います。
このイメージセンサーのサイズが大きくなると、同じように撮影していてもボケ具合が大きくなったり、より色彩豊かな階調表現だったり、暗い場所でもノイズが少ない高画質で撮影できます。ただし、その分カメラやレンズだけでなく、それに伴う三脚などの機材も大きくて重くなったり、高額になるというデメリットもあります。 -
イメージセンサーは、主に一眼カメラの場合、『フルサイズ』『APS-C』『マイクロフォーサーズ』という3つの大きさがあります。
フイルムカメラの35mm判フィルムと同じくらいのセンサーサイズが『フルサイズ』、フルサイズより小さい『APS-C』、APS-Cよりさらに小さい『マイクロフォーサーズ』になります。
マイクロフォーサーズは、カメラ・レンズを含めてシステム全体が小型軽量になる点が最大の魅力と言えますが、マイクロフォーサーズの特性から、『マイクロフォーサーズはマクロ撮影に強い』と言われています。 -
一体、どういうこと??マイクロフォーサーズの特性って何?
カメラ初心者には意味が全くわかりません。そこで、カメラの基礎知識に少し踏み込んでみました。
ところで、センサーサイズの違いで撮れる写真が変わってくるということはわかりましたが、センサーサイズによって写す範囲も変わってくるというのをご存じでしょうか?
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1. センサーサイズで、画角が変わる
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フルサイズと同じ焦点距離レンズで比較した場合、マイクロフォーサーズとフルサイズでは同じ画角では撮影することができません。
マイクロフォーサーズはフルサイズに比べて撮影できる範囲は狭くなりますが、撮影倍率が35mm判換算で2倍あるので、被写体をより大きく写すことができます。 -
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なるほど!!小さい昆虫を撮る時は、より大きく写すことができるマイクロフォーサーズはマクロ撮影に向いているということですね。
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2. センサーサイズで、被写界深度が変わる
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フルサイズはマイクロフォーサーズと比べてセンサーサイズが大きいので、簡単に背景をぼかした写真を撮ることができます。
ぼけ方は焦点距離や有効口径レンズによっても変わりますが、『マイクロフォーサーズはフルサイズと比べて被写界深度が2段分深くなります。』
これは、被写界深度が浅くなりやすいマクロ撮影においてはかなりメリットがあるそうです。
被写界深度が浅い?2段分深いってどういうこと?またまた意味がわからなくなってきたので、カメラ初心者の方にもわかるように説明していきます。。
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2-1.被写界深度とは?
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ピントが合っているように見える範囲のことを『被写界深度』と言います。
『被写界深度が浅い』とはピントが合っているように見える範囲が狭く、『被写界深度が深い』とはピントが合っているように見える範囲が広いことを言います。絞りを絞りこんで(F値の数字が大きい)撮影すれば被写界深度は深く、開放していけば(F値の数字が小さい)浅くなります。 -
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2-2.被写界深度が2段分深いってどういうこと?
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段数とは光の入る量を段階化したものです。
絞り値を1段大きくすると、光の入る量(明るさ)が1/2になり、1段小さくすると光の入る量(明るさ)が2倍になります。
つまり、1段開くごとに明るくなるので、シャッター速度が速くなり、よりブレにくくなるということになります。 -
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OM SYSTEMのカメラでは絞り値は1/3段ずつ設定ができます。
『マイクロフォーサーズはフルサイズに比べて被写界深度が2段分深い』とはどういうことかというと、同じ焦点距離で考えた場合、フルサイズF5.6で撮影した時のボケ感を出すには、マイクロフォーサーズではF2.8で撮影することになります。
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2-3.シャッター速度とは?
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シャッター速度とは、シャッターが開いてカメラ内部に光が入り、再びシャッターが閉じるまでの時間のことです。シャッター速度にも段数があります。シャッター速度を変えることで被写体の動きが変化する写真になります。例えば、シャッター速度を速くすると、動きの速い被写体でも止まっているように撮影できたり、シャッター速度を遅くすると、動いているものはぶれて撮影されます。ぶれて撮影されるのが必ずしも悪いわけではなく、わざとシャッター速度を遅くして躍動感のある写真を表現することもできます。
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風が強い夕暮れに同じ位置から撮影。シャッター速度が2段違うとは、このくらい違うイメージになります。遅い方がだいぶブレてますね。
よく『手ぶれ補正の効果は最大○段分です』というのは、この段数のことを言います。
たとえば、手ぶれ補正最大5段分だとすると、シャッター速度1/15秒で撮影した場合、1/500秒程度で撮影したものと同程度のぶれ補正効果を得ることが可能ということです。
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2-4.ISO感度(アイエスオーカンドまたは、イソカンド)とは?
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ISO感度とはカメラが光をとらえる度合を表す数値です。
ISO感度の数値を大きくするとノイズ(ざらつき)が大きくなりますが、夜や室内などの暗い場所での撮影が可能になります。
通常はノイズと階調のバランスのとれたISO200を基準とし、撮影状況に応じて感度が変わる[ISO AUTO]での撮影がおすすめです。 -
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ISO感度は、1段上げると同じ絞りであれば2倍速いシャッター速度で撮影ができます。
蝶や昆虫など動きのあるものを撮影する場合や暗所でブレを防ぎたい場合には、高いISO感度に固定することで速いシャッター速度で撮影することができるのでブレを抑えることができます。低いISO感度だとシャッター速度が遅くなってブレてしまう場合には三脚を使うこともおすすめです。
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3. まとめ
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フルサイズとマイクロフォーサーズを比較した場合、被写界深度が2段分深いマイクロフォーサーズには下記のようなメリットがあります。
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■同じ被写界深度・同じISO感度の場合、『シャッター速度を2段速くできる』
→ 被写体ブレを防ぐことができるから、風や昆虫など動きのある撮影に強い。 -
■同じ被写界深度・同じシャッター速度の場合、『ISO感度を2段低くできる』
→ カメラ性能に左右されますが、よりノイズのでにくい高画質で撮影することができる。 -
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OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO は、最大7段※、5軸シンクロ手ぶれ補正に対応なので、被写界深度の浅いマクロ撮影でもピント合わせに苦労することなく、被写体の動きと
構図に専念して撮影することが可能です。
テレコンバーター MC-20を装着すると撮影倍率8倍(35mm判換算)撮影もできる高解像マクロレンズで、見た目では感じることができない美しいお花や昆虫撮影を楽しめます。 -
※ 5軸シンクロ手ぶれ補正時 CIPA規格準拠 2軸加振時(Yaw/ Pitch)半押し中手ぶれ補正:OFF 使用ボディー:OM-1