OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO実写レビュー 1/3ページ目
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これがスーパーマクロの世界だ!
撮影倍率4倍(※1)、2倍テレコンバーター装着で8倍(※1)の撮影を実現する高解像マクロレンズって、一体どれだけ凄いの?驚きの実写レビュー! -
「マクロレンズで撮ると面白いけどちょっと難しい」「被写界深度が浅いからとってもシビアでちょっと苦手」というカメラ初心者の方でもこれはおすすめのレンズです!驚きのスーパーマクロの世界にもうメロメロ。シャープで高画質な描写も魅力です。
しかも、マクロレンズだけではなく望遠レンズとしても充分に楽しめるレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」。
OM SYSTEM OM-1で撮影してきました。マイクロフォーサーズだからこそ楽しめる!小型軽量で高性能なこのレンズの魅力をお伝えします。
※1 35mm判換算
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目 次
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1. M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO 外観
1-1. 見た目よりもかなり軽いレンズ
1-2. OM SYSTEM OM-1に装着
1-3. マニュアルフォーカスクラッチ機構
1-4. フォーカスリミットスイッチ
2. こんなに近寄っても大丈夫!驚きのスーパーマクロ
2-1. テレコン装着で撮影倍率8倍(※)撮影を実現!高解像マクロレンズ
3. OM SYSTEM 3つのマクロレンズ比較
4. マクロレンズで深度合成
4-1. 深度合成モードでお花撮影
4-2. カメラ内で複数画像を一括削除
5. 望遠レンズとしても使える90mmマクロレンズ
5-1. 風でゆらゆら揺れる枯れススキ撮影
5-2. 金網越しでワライカワセミをプロキャプチャー撮影
6. GALLERY -90mmマクロレンズでお花撮影-
6-1. マクロフラッシュ STF-8撮影
6-2. 近寄り過ぎてもフッ素コートだから大丈夫
7. まとめ
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1. M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO 外観
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撮影をしていて、もうちょっと近寄りたい、アップに撮りたい!って思う時、ありませんか?
今回のレンズ『M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO』は、そんな欲求を叶えてくれるレンズです。 -
1-1. 見た目よりもかなり軽いレンズ
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まずはレンズ単体の外観。
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M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro や M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroと比べてしまうと、見た目は大きく感じたのですが、その大きさから想像していた重さよりも、かなり軽く感じました。
重さ453g(レンズキャップ、レンズリアキャップ、レンズフードを除く)は意外と軽いんですね。500mlペットボトルの重さと同じくらいです。
OM-1のボディのみで重さ511gですから、カメラに装着しても片手で持てます。腕を伸ばさないと撮れない場面でも余裕で撮影ができました。 -
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か、可愛い!ふわふわで真っ白なユキウサギさんを金網越しで撮影(^^)瞳がやや迷惑そうなのは・・・気のせいかな?(ごめんなさい💦)
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1-2. OM SYSTEM OM-1に装着
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次に、デジタル一眼カメラ OM SYSTEM OM-1に装着してみました。
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OM-1と装着してみると、30mm・60mmのマクロレンズと比べてかなり大きく感じました。
『M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO』は180mm相当(35mm判換算)の望遠レンズとしても使えるから、このくらい大きくなってしまうそうです。確かに望遠レンズとしても使えるならこの大きさは納得ですね。
一般的に焦点距離180mmくらいのレンズ単体だけでもだいたい1kgくらいになるので、重さ453gはこの見た目から想像するよりはるかに軽いと言えます。
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1-3. マニュアルフォーカスクラッチ機構搭載
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マニュアルフォーカスクラッチを使用すれば、オートフォーカスからマニュアルフォーカスへ素早く切替えが可能です。
カメラでオートフォーカスに設定していても、レンズはマニュアルフォーカスで動作するので、ピント合わせがシビアなマクロ撮影には重宝しますね。
※マクロ撮影時、微細なピント合わせのため、マニュアルフォーカスでピント位置を追い込む際に、S-AF+MF をONにしてお使いください。 -
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昆虫をマニュアルフォーカスで撮る場合、昆虫に近づいてからピント合わせしようとすると時間がかかり逃げられてしまうことがあります。そんな時は、あらかじめ「0.5倍くらいの大きさで撮ろう」と思って、その撮影倍率にセットして寄っていき、そこから微調整すると撮影チャンスを逃しません。
そういう使い方ができるので「撮影倍率表記」はあると便利なんです。
この数字の意味を知っているだけでまた素敵な写真が撮れちゃいますね!
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1-4. フォーカスリミットスイッチ
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@フォーカスリミットスイッチ
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撮影距離範囲を設定します。設定した範囲でピント合わせをするため、より早くピントを合わせることができます。
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■S-MACRO: 撮影距離 0.224m (換算4倍)から 0.5m (換算0.5倍)の超高倍率撮影ができます。
■0.25 - 0.5m: 換算2倍から0.5倍までの撮影ができます。
■0.25m - ∞: 換算2倍からマクロ以外の通常撮影まで幅広く使用できます。 -
AISスイッチ
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手ぶれ補正(IS)のON/OFFを切り替えます。
ON:レンズとカメラの手ぶれ補正機能が動作します。ISの動作はカメラ側のIS設定に従います。
OFF:レンズとカメラの両方の手ぶれ補正機能をオフにします。 -
BL-Fnボタン
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ボタンを押している間、AF動作を停止します。カメラによっては他の機能を割り当てることができます。
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フォーカスリミットスイッチを『S-MACRO』にして、ISスイッチを『ON』にすることで、5軸シンクロ手ぶれ補正により補正効果最大7段(※)の性能を発揮!
手持ちでスーパーマクロ撮影をしても、ビシっと決めた写真を撮影することができます。(できるはずです。)
※CIPA規格準拠。2軸加振時(Yaw/ Pitch) 半押し中手ぶれ補正:OFF 使用ボディ:OM-1
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2. こんなに近寄っても大丈夫!驚きのスーパーマクロ
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2-1. テレコン装着で撮影倍率8倍(※)撮影を実現!高解像マクロレンズ
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撮影倍率は、レンズ単体で4倍(35mm判換算、撮影範囲 8.7x6.5mm)の高倍率マクロ撮影が可能。さらにテレコンバーター装着で8倍 (※)の超高倍率マクロ撮影も可能です。8倍とは、撮影範囲4.3x3.3mmを画面いっぱいに撮影できるということになります。
※35mm判換算、MC-20使用時
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蝶々を撮影してみると、近寄れば飛んでいくし、動き回るからなかなか狙いを定めるのが難しい。でも、せっかくだからマクロレンズならではの近接撮影も絶対にしたい・・・という苦悩の果てに何とか撮影することができました。
経験値が少なくても、このレンズならなんとかなる! -
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MC-20を装着すると、さらに高倍率マクロ撮影ができます。 -
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え?蝶の羽ってこんな風になってたの?
肉眼ではここまで見ることができません。キラキラ反射して鳥肌がたつほどの美しさ。
ただシャッターを押しただけなのに、肉眼では知りえなかった自然界の美しさを感じることができる高解像マクロレンズ『M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO』、凄すぎます!! -
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最短撮影距離って何?
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『最短撮影距離』とは、被写体にピントを合わせることができる最短の距離のことです。
一眼カメラのイメージセンサーの位置を示す距離基準マークから被写体までの距離を言います。
使用するレンズによって、この最短撮影距離は異なります。
最短撮影距離よりも被写体に近づくとピントが合わなくなりますので、撮影前に確認しておきましょう。
もし忘れてしまっても、レンズに記載があるから安心です。 -
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被写体からレンズ先端までの距離を『ワーキングディスタンス』と言います。
この『ワーキングディスタンス』もレンズによって違います。
お次は、きれいな円形ボケを実現する3つのマクロレンズについて比較してみました。
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3. OM SYSTEM 3つのマクロレンズ比較
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マクロ撮影では被写界深度が浅くなるので、フルサイズの同じ焦点距離レンズと比べて、2段被写界深度が深くなるマイクロフォーサーズは、マクロ撮影に向いていると言えます。(詳しくは『センサーサイズで被写界深度が変わるってどういうこと?』>)
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M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm
F3.5 Macro IS PRO -
M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm
F3.5 Macro -
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm
F2.8 Macro -
90mmのマクロレンズと、30mm・60mmのマクロレンズの仕様を比較してみました。
赤い箇所が、2つのレンズと大きく異なる『M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROの注目すべき特長』です。 -
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あれれ?ワーキングディスタンスが短い方が被写体に近づけるから大きく撮影できていいんじゃないの?と思っていたのですが、実際に撮影してみたら全然違いました。
百聞は一見にしかず、まずはこちらをご覧ください。 -
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どのマクロレンズも、きれいな円形ぼけで被写体を引き立てますね。
30mm、60mmと比べて、90mmはワーキングディスタンスが遠くても、90mmなら被写体を大きく撮影することができました。
ワーキングディスタンスが遠くても全く問題はありません。
むしろ、被写体から離れても同様の倍率で撮影することができるので、遠くにいて近付けない場所にいたり、近づくと逃げてしまう昆虫撮影においては、90mmの方が向いていると言えます。