ミラーレス一眼 OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III レビュー
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2016年12月22日に発売され大ヒットを記録した「E-M1 Mark II」。
あれから3年・・・さらなる進化を遂げた待望の後継モデル「E-M1 Mark III」 が発表されました。
発売前ですが、今回特別にお借りすることができたので、その新機能を早速試し撮り!
比類なき機動力と高画質を検証すべく、今回進化した4つのポイントを中心にお伝えいたします。
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■ライブND
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E-M1シリーズの最上位機種 E-M1X のみに搭載されている「ライブND」が、小型・軽量ボディ E-M1 Mark III でも実現!
NDフィルターを使わなくても、スローシャッター効果を使った表現が簡単に得られます。 -
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絞り値 f/22 シャッタースピード 1/20秒 ISO感度 ISO64 露出補正 0 焦点距離(35mm 判換算) 80mm 使用レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
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通常撮影では、露出オーバーしないギリギリのラインは、シャッタースピード1/20秒でした。
続いて、シャッタースピード1/2秒のスローシャッターで撮影。うまく撮れたら、絹糸のような川の流れが撮れるはず・・・。 -
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絞り値 f/22 シャッタースピード 1/2秒 ISO感度 ISO64 露出補正 0 焦点距離(35mm 判換算) 80mm 使用レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
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何もうつりませんでした(T-T)
撮影した日は雲一つない晴天です。
当たり前ですが、こんな天気の良い日にシャッタースピード 1/2秒で撮影すれば、露出オーバーとなり白飛びしてしまいます。
さて、次はいよいよ「ライブND」機能を試します。
果たして、晴天の明るい場所でも、フィルター無しでスローシャッターを使った幻想的な写真が撮影できるでしょうか? -
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絞り値 f/22 シャッタースピード 2秒 ISO感度 ISO64 露出補正 0 焦点距離(35mm 判換算) 80mm 使用レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
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おおお!!きたーーーー!
NDフィルターが無くても、スローシャッター撮影ができました。
シャーシャーと絹糸のような川の流れ・・・幻想的な写真に早変わりです。
撮影前に「LVシミュレーション」でスローシャッターの効果をモニターで確認できるのは非常に便利な機能です。
撮影シーンやレンズごとにフィルターを付け替える手間が省けるだけでなく、
フィルター装着が困難な広角レンズ・魚眼レンズを使う場合にも活用できます。
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■星空AF
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これまで星を撮影するときにはMFで行うのが一般的だったピント合わせ。慣れていないと時間がかかり大変でした。
今回新たに搭載された「星空AF」は、星空のピント合わせに特化したビックリ機能!ということで、実際に体感してきました。 -
E-M1 Mark III は手ぶれ補正も強力なので、手持ちで星空を撮影してみました。
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絞り値 f/2.8 シャッタースピード 2秒 ISO感度 ISO6400 露出補正 0 焦点距離(35mm 判換算) 24mm 使用レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
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手持ちでも綺麗な星がバッチリ撮れました!実際に肉眼で見るより多くの星が撮影できます。
続いて、星がぐるぐる回る「軌跡写真」にチャレンジです。 -
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絞り値 f/2.8 シャッタースピード 13秒 ISO感度 ISO1600 露出補正 0 焦点距離(35mm 判換算) 14mm 使用レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
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あーー、確かに地球は回っているのですね。北極星を中心に星が動いているように見える写真です。
初めての「星の軌跡撮影」!撮影前はかなり難しいと思っていましたが、ライブコンポジットを使って簡単に撮影する事が出来ました。
ずっと憧れていた「星の軌跡写真」が簡単に撮れて感動です(^-^)
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■5000万画素手持ちハイレゾショット
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こちらもE-M1Xに搭載されていた「5000万画素手持ちハイレゾショット」機能が、今回新たに E-M1 Mark III に追加。
自動販売機サイズにプリントしてもびくともしない解像力で、移動の多い山岳や三脚を利用できない場所でも、手持ちで超高解像写真を撮影できます。 -
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絞り値 f/8 シャッタースピード 1/500秒 ISO感度 ISO200 露出補正 0 焦点距離(35mm 判換算) 48mm 使用レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
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16回の撮影で得られた3億2000万の画素情報を使って約5000万画素の高解像写真を生成する、手持ち撮影でのハイレゾショット。
多枚数合成によってISO感度で約2段分のノイズ軽減効果が得られるのも特長で、特に細かいところの解像力が必要とされる風景や、高ISOを使う夜景などの撮影で威力を発揮します。
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@ 建物の輪郭がくっきり見える
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「5000万画素手持ちハイレゾショット」の画像を見ると、建物の線が鮮明に表現されており、太陽熱パネルがあることもわかります。
一方、通常撮影では、全体的にぼやけた印象で、太陽熱パネルがもはや何なのか判別できません。 -
通常撮影
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5000万画素手持ちハイレゾショット
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A 遠くの木もボヤけることなく鮮明に
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通常撮影ではまるで水彩画加工のように画像がつぶれてぼやけてしまっているのに対して、
「5000万画素手持ちハイレゾショット」は、木の枝1本1本、葉の様子などが鮮明に表現されており、解像力の高さがわかります。 -
通常撮影
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5000万画素手持ちハイレゾショット
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■進化した顔優先/瞳優先AF
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カメラが自動的に人物の顔・瞳を検出してピント合わせを行う「顔優先/瞳優先AF」機能。
新エンジンで進化したE-M1 Mark III の「顔優先/瞳優先AF」は、開発陣も「世界トップクラス」と豪語する性能です。
その進化した「顔優先/瞳優先AF」を 前モデル E-M1 Mark II と比較してみました。 -
どこまで顔・瞳検出できるのか?
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それぞれカメラが顔・瞳検出できるギリギリのところまで撮影してみました。
果たして、違いはあるのでしょうか?まずは、顔優先機能から比較です。 -
E-M1 Mark II -
E-M1 Mark III -
一目瞭然!顔を検出する精度、追従性、レスポンスが大幅に向上していました。
E-M1 Mark III は、かなり遠くからでも顔検出してくれることがわかります。
続いては、瞳優先AFの比較です。 -
≪正面比較≫
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E-M1 Mark II -
E-M1 Mark III -
≪横顔比較≫ -
E-M1 Mark II -
E-M1 Mark III -
つぶらな瞳の私でも、ちゃんと顔・瞳検出してくれましたよ。
全然違いますね〜!実際に比較してみて性能の違いがよくわかりました。
E-M1 Mark III は、遠く離れた小さな顔でも検出可能で、一度検出するとずっと追従し続けてくれます。
追従性だけでなく、顔・瞳検出が難しい横顔でもしっかりとピントを合わせ続けることができました。
じっとしていられない動き回る子供たちでも、これなら充分捉えることができそうです。
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■PD規格対応のUSB給電
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今のカメラでは当たり前になりつつある「USB充電」。
E-M1 Mark IIIは、さらに「USB給電」がついているので、お手持ちのモバイルバッテリーで給電しながら撮影が可能です。 -
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コードを挿して、USB PD を選択するだけで簡単に切り替えることができます。
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バッテリーのマークが消えて、USB給電されているのがわかります。
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これで、ミラーレスカメラの唯一の弱点と言われていた「バッテリーの持ち」問題は解決です。
長時間にわたる天体撮影など、あらゆる場所でバッテリーの心配なく撮影に臨めますね。 -
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今回使用したバッテリーはこちら >>
ELECOM/エレコム 【PSE取得済み】
PD20000mAh モバイルバッテリー
DE-C19L-20000BK
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■まとめ
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3年ぶりに登場した『OM-D E-M1 Mark III』。
スペックや追加機能を初めて見た時は、「マイナーチェンジか・・・」と、正直ちょっとがっかりしていました。
しかし、実際に「E-M1 Mark III」を手に持って撮影に行き、前モデルの「E-M1 Mark II」と比較をしてみると、
手ぶれ補正や顔優先/瞳優先AF、星空AFなど、カメラの基本性能が大幅に向上しており、
「やっぱりフルモデルチェンジだ!」と自分の考えを改めざるを得ませんでした。
(オリンパスさん、マイナーチェンジって言ってごめんなさい。)
また、手持ちハイレゾショットやライブNDなど、カメラ1つで超高解像度写真が撮影できるのは、とても嬉しい機能ですね。
三脚やフィルターなど余計な荷物が負担にならず、撮影の自由度が格段に上がります。
『比類なき機動力と高画質があらゆる環境で思い通りの撮影を可能にする。
オールラウンドプロフェッショナルモデル OM-D E-M1 Mark III』
実際に使ってみて、この言葉に偽りなし!
飛躍的な進化を遂げた『OM-D E-M1 Mark III』
あらゆるフィールドで一眼トップクラスの高画質を提供いたします。
私と同じくマイナーチェンジと思っていたあなたも、きっと満足する1台になるはずです。 -
OM-D E-M1 Mark III ボディー -
OM-D E-M1 Mark III 12-40mm PROレンズキット